当サイトで紹介する吊りは比較的楽な吊りを紹介しています。
いくら楽と言っても、そこは自分の体重がかかることから、厳しい責めの一つになりますので、次のことに注意してください。
1.受け手の体調が良好であること。
2.使用する縄や吊床が吊りに十分耐えられる状態のものであること。
3.常に相手に気をくばり、異常をすばやく感知すること。
上記1は、受け手の体調が悪いと、苦しい吊りには耐え難いので、体調が優れないときには吊りは禁物です。
また、受け手が食後すぐとか、飲酒しているなどの場合も吊りは禁物です。
もちろん、縛り手の体調が優れないときには、吊りなどを行ってはなりません。それが、分からないようであれば、縛る資質がありません。
上記2は、普段から手入れしていないと、縄の状態はわかりません。普段のメンテナンスを確実に行ってください。
吊っている状態で、縄が切れた場合、手足を縛られたまま落下し、顔や頭を強打することになりますので、十分注意してください。
また、吊床についても、人間を吊ることを前提に十分な強度が求められます。体重50kgの人でも、上げ下げをしている時には、縄に一瞬ですが数百kgの力がかかる場合があります。
吊りは思いがけない方向に力が働く場合があります。垂直方向だけではなく、水平方向やねじれの力にも耐えられる必要があります。
簡易な吊床を使用していると、事故の元になりますので、そういった吊床(もやは吊床とは言わない)は使用しないようにしてください。
上記3は、縛り手の資質とも言えます。吊りは受け手に相当な負担がかかります。強烈な締め付けにより、痺れが起こりやすくなりますので、受け手には十分気を遣ってください。
うつ伏せの状態で吊ることを水平吊りと呼んでいます。
吊りは身体を吊り上げるのではなく、縄に身体を預けて(体重を預けて)いることです。(初心者は身体を吊り上げようとしがちです)
ココでは、胸縄と腰縄が完了している状態から解説します。
吊り縄をかける順序は、胸→足(両足)→腰の順です。
胸にかけた上下それぞれ4本の縄をすくい取るように縄をかけます。
縄頭を取るので、結び目は軽くで構いません。
この時、吊り縄で身体を(吊り上げるように)引き上げてはいけません。
胸縄とカラビナを往復するだけで、まだ、吊り縄にはテンションはかけません。
(皿に縄がかかる悪い例)
(膝から離れすぎた悪い例)
膝を曲げたときに抜けてしまうので、膝から下(すね方向)には縄をかけないでください。
片足があがることで大幅に体勢がくずれるので、膝を上げる前に、受け手に一声かけ、次にどういう体制になるかわかるようにしてください。
身体を吊り上げるのではなく、縄に身体を預ける
上げる高さは、胸と膝が同じ高さになるようにします。
この時、受け手の身体が回転しないように、腕や身体で支えながら行ってください。
両足が上がってからは、時間との勝負です。
この作業をするのとしないのとでは大きな違いがありますので、注意してください。
腰の高さは、胸や膝と同じ高さです。
写真では、余った縄で帆掛けのようにしていますが、余裕がないときには必要ありません。
足は伸ばすより、曲げたほうが楽なので、受け手と相談して行ってください。
完成しました。
どんな吊りでも、一番気を遣わなければならないのが、この降ろす作業です。
たまに落下事故を耳にしますが、大抵はこの降ろすときに落下させています。
吊り縄を解くときは、両手ではなく、片手で解きます。
もう片方の手は、縄をつかんで落下しないようにします。
(人差し指で指しているところが、縄頭になります)
(縄とつかむ位置を間違えた悪い例)
降ろす順番は、上げたのと逆の順番、腰→足(両足)→胸の順です。
縄酔いする女性などは、足を下ろしても、全体重が胸縄にかかっている場合があるので、最後まで気を抜かないようにしてください。