カラビナには色々な種類がありますので、一例をあげます。他に開口部が螺子になっているものやプーリーがついているものなどがありますが、緊縛ではあまり使用しません。
(1)は工事現場などで使われるもので、開口部が刃物のようになっていて、指を怪我したり縄を傷つけてしまうので緊縛には向いていません。
(2)装飾用で決して吊りには使用しないでください。人体を支える強度に問題があります。
真ん中から右3つは吊りに使用できます。登山用などで、強度の試験をしてあります。写真では見難いですが、KN⇔24という記号が見えると思います。これは、開口部を閉じた状態で、瞬間加重24KN(キロニュートン)すなわち、一瞬の加重であれば、約2.4t(トン)に耐えられることを示しています。
(3)よく登山用品店でみかけるタイプですが、カラビナを垂らしたときに底に当たる部分の角度が急で吊り縄が噛みやすいです。
(4)オーバルタイプでこれも登山用品店でよくみかけるタイプ。(3)ほど底部の角度は急ではありませんが、その分、カーブしていて、こちらも縄が噛みやすくなります。また、横幅が狭く、縄を通しにくいという点もあります。
(5)このカラビナはお勧めです。底部の幅が広く、角度がきつくありません。強度もちゃんとしています。管理人はホームセンターで見つけました。価格も(3)や(4)に比べ半分以下で求めやすいと思います。
ひとつのカラビナにかけるカラビナは少なめにします。
下図はあきらかにカラビナのかけ過ぎで、実際これらのカラビナに縄をかけていくと窮屈でとても扱い難いものとなります。
1箇所にかけるカラビナの数は多くて3個までにしましょう。
1つのカラビナに2本以上の縄をかけると、縄同士が噛んでしまいますので、縄は1本にしてください。
つまり、1つのカラビナには縄は1本、縄とカラビナは1つずつ、カラビナは2個までにします。
では、吊り縄が2本以上ある場合はどうすれよいか、それはカラビナを段違いにかけていくことです。
今後吊りをして、展開をする場合に問題になるのはカラビナをかける位置と順番ですが、ここでは割愛します。
また、縄がかかっているところにカラビナをかける場合は、縄をずらすように(押しのけるように)カラビナをかけます。
決して縄の上からカラビナをかけないようにしてください。
カラビナに挟まれて縄が解けないばかりか、縄がダメージを受けることもあります。
カラビナと同時によく使われるのが、スイベルです。
本来登山でザイルがねじれることを防ぐものですが、吊りでは、受け手を思った向きに回すために使用します。
スイベルを使った吊りは難易度が少し上がりますので、追々説明していきたいと思います。